中神駅前ビル
Everybody Finds Somebody Someplace.
Category: Clinic, Office

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敷地概要:
ひしめき合うように軒を連ねる駅前商店街の一角に建つ、賃貸事務所を併設した診療所である。木造の棟割長屋が並ぶ一角だったが、現在では建て替えが進んできている。敷地の北側には在来線のプラットホームがあり、南側には線路と並走するように市道が通っている。東西は共に敷地境界線いっぱいまで建てられた建物に囲まれた狭小敷地である。

建物の振る舞い:
床面積を十分に確保出来ない建物は、実面積を超えた拡がりを必要とする。そのような拡がりを得るためには自己完結的空間を開放し、周辺に対して積極的に開いていく必要がある。上方に空所が確保されている南北方向は、積極的に視線が抜けるよう計画した。南面する道路に対しては建物内の活動が表出し、地域の風景と一体となる。3、4階に屋上を配すことで北側にある駅のプラットホームからの視線を緩やかに遮りながらも開放感を得た。南北に視線が抜けることで、周辺からは建物を介して空を望むことができ、周辺に対して圧迫感の低減に寄与している。

絡み合う拡がり:
2階(事務所A室)と3階(事務所C室)、そして2階(事務所B室)と4階(事務所D室)を吹抜けにより接続し、不即不離の関係を構築している。複層階が緩やかに繋がった2つのボリュームが、噛み合うようにして事務所部分が構成されている。こうした多様な空間の連続と分節が、ひとつの場所にいながら複数の場所が散在していることを知覚させる。ボリューム間は2階の外部廊下を介して行き来するばかりでなく、2階から4階までを繋ぐ螺旋階段の3階部分にて往来出来るようにすることで、複数の動線を確保した。室と室、ボリュームとボリューム、動線同士が複雑に絡み合うことで、空間は実面積以上の拡がりを獲得した。

アジャスタブルであること:
賃貸事務所部は多様な用途に対応して可調的に対応できるよう、一体の事務所をして使用するばかりでなく、2つに分けて賃貸出来るように計画した。事務所を2つに分けた場合でも、複層階で構成されているため表情の異なる室を提供している。

サステナビリティについて:
1階の診療所では、患者に配慮し出入口には段差の抑えた引戸を採用した。そして、室内では段差のない計画とした。また、事務所部の水回りを2階に集約することで、設備配管の圧縮と効率化を図った。施主は1階の床面積を最大限に確保すると共に、容積率限界まで床面積を確保することを希望した。そのため、敷地境界線近くまで外壁が迫ることを余儀なくされた。隣家の外壁も隣地境界線まで迫って建てられているため、竣工後に外壁のメンテナンスは困難となる。そこで、外壁には耐候性の高い建材を採用した。また、可能な箇所は外壁を後退させることで、メンテナンスが行えるように配慮した。

用途:診療所、事務所
所在地:東京都昭島市
主体構造:鉄骨造
敷地満席:39.80m2
建築面積:29.24m2
延床面積:79.29m2
設計期間:2010年4月~2012年2月
工事期間:2012年2月~2012年11月

Use: Clinic, Office
Location: Akishima-shi, Tokyo
Structure: Steel
Site area: 39.80sqm
Building area: 29.24sqm
Total floor area: 79.29sqm
Design period: 4/2010 - 2/2012
Construction period: 2/2012 - 11/2012

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